末吉俳句日記『音を呼び継ぐ時雨』
🗓 2025年11月12日(水)
末吉俳句日記『音を呼び継ぐ時雨』
ひとつ鳴き ふたつしぐるる 烏かな
(ひとつなき ふたつしぐるる からすかな)
🖋️季語:時雨(しぐれ)(冬)
※「時雨」は、冬の初めに
一時的に降る細かな雨。
降ったかと思えばやみ、
また降る――
その移ろいやすさに、
もののあわれや
季節の深まりを感じさせる。


音を呼び継ぐ時雨
ひと声のあとに、
空が沈黙を返す。
やがてふたたび降りだす雨、
音が季節を継いでいく。
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次回予告
静けさを咲く山茶花
寒い朝、家の格子の前に
ひと輪の山茶花が咲いていた。
人通りもなく、
音もない静かな時間。
その花の白さが、
まるで世界をやわらかく
包み込むようだった。
冬の静けさの中にある、
あたたかな命の息吹を
詠んだ一句。
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