わたぼうし短歌帖『駆けるものなし』
🗓 2025年5月21日（水）
わたぼうし短歌帖『駆けるものなし』
🖋️ 短歌：
一本の 揺れる残光 見惚れては
群青の果てに 駆けるものなし
🖋️ 読み方：
いっぽんの ゆれるざんこう みほれては
ぐんじょうのはてに かけるものなし
駆けるものなし
梅雨の夜、高速をひとり走る
ヘッドランプの残光が
群青に揺れる
追いかけた先には何もなくて
その静けさだけが胸に残った
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次回予告
つたう雫よ
雨の午後、
窓ガラスをつたう雫を眺めながら、
誰にともなく「ひまだね」とつぶやく。
その言葉は、
指でなぞった跡に静かに残り、
外側から流れる雫に
消されそうで消えなかった。
孤独な時間の中に、
心の痕跡だけが静かに揺れている。
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