わたぼうし短歌帖『北おろしの前で』
🗓 2025年11月20日(木)
わたぼうし短歌帖『北おろしの前で』
🖋️ 短歌:
北風を 廃屋抜けて 身を掠め
短き夜さえ 寂し染みおり
🖋️ 読み方:
きたかぜを はいおくぬけて みをかすめ
みじかきよさえ さびししみおり


北おろしの前で
廃屋を北風が抜け
頬に触れた冷たさで
短い夜は沈みゆき
胸の奥まで寂しさ染む
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次回予告
灯にのこる影
冬の街の灯が照らす片隅に、
細くにじむ影が立っていた。
暖かいはずの光の中で、
その影はどこか頼りなく、
触れられない想いを
映し出すようだった。
寒さなのか、
人を待つ心なのかは
分からないまま、
その気配だけが
静かに胸をかすめた。
夕べの空気に溶けるように、
寂しさがそっとしみゆく
一瞬を詠んだ歌。
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