わたぼうし短歌帖『眠る山と冬の風』
🗓 2025年12月12日(金)
わたぼうし短歌帖『眠る山と冬の風』
🖋️ 短歌:
空っ風 尾根をつたへて 影ゆるび
山の眠気に 時はとどかず
🖋️ 読み方:
からっかぜ おねをつたへて かげゆるび
やまのねむけに ときはとどかず


眠る山と冬の風
空っ風が尾根を渡り、
景色の影をそっとゆるめる。
眠るような山の静けさには、
流れる時さえ届かなかった。
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侘助の白い朝
冬の朝、冷たい寒風の中で、
柵の向こうに侘助が
静かに白く咲いている。
主張することなく、
ただそこに在るその姿は、
景色の一部として自然に
溶け込んでいた。
澄んでいく朝の空気とともに、
控えめな美しさが心を
そっと整えてくれる一首。
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