末吉俳句日記『雨間を渡る蝶』
🗓 2026年9月8日(火)
末吉俳句日記『雨間を渡る蝶』
秋蝶や 雨間渡りて 花寄らぬ
(あきちょうや あままわたりて はなよらぬ)
🖋️季語:秋蝶(あきちょう)〔秋〕
※秋になって見かける蝶。
夏の蝶に比べ、
その姿や飛び方に
どこか弱々しさや
儚さを感じさせる季語です。


降り続いていた雨が、
ほんのひととき途切れる。
濡れた草木のあいだから、
一匹の蝶がふわりと飛び立った。
秋の蝶はどこか頼りなく、
湿った空気の中を
小さな翅で急ぐように進んでいく。
雨の止んでいる時間を
知っているかのように、
花から花へ寄ることもなく、
そのまま遠くへ消えていった。
やがて葉を打つ音が戻り、
また雨。
そして、雨。
さっき蝶の消えたあたりも、
白く煙る雨の向こうへ隠れていく。
濡れた道を歩きながら、
もう見えない空の先へ
しばらく目を向けていた。
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